ハイブリッドシステムのいろいろ
ハイブリッド車と言ってもその方式は色々ございまして其々に特徴があります。
● シリーズ方式
駆動はモーターで行い、エンジンはその蓄電目的のみで使用される方法で、ある意味EV(電気自動車)と言えるシステムですが、エンジンがあるのでハイブリッドに分類されます。
初期の実験的な車輌に用いられたものの、バッテリーの容量や効率の問題等もあってあまり実用化されませんでしたが、現在ではEVの航続距離問題の解決に採用されています(レンジエクステンダーEV)。
● パラレル方式
駆動をモーターとエンジンで行うシンプルな方法で、ホンダのインサイト(IMA)やBMW・メルセデス等に多く採用されています。
主体はエンジンで、発進時や高速の加速時など力が必要な時にモーターの補助が働き、減速時はモーターが発電機代わりとなって蓄電し、エンジンは常に作動する為モーターのみでの走行は出来ません。
● シリーズ・パラレル方式
両方のシステムを併せた方法で、トヨタのプリウス(THSU)がこれにあたり、発進時や低速時はモーターで走り、通常走行時は速度や水温・路面状態に応じてエンジンとモーターの割合を調整します。
また専用の発電機を設けていて、モーターと二つからの蓄電が可能で、モーターによる駆動を出来るだけ利用して、エンジンを使わずに燃費を向上させようとする考え方です。
● プラグインハイブリッド方式
EVとハイブリッドの過渡期の産物ですが、先述のレンジエクステンダーに近い方法です。
プリウスプラグイン(30系)の場合、ニッケル水素バッテリーをリチウムイオンバッテリーに変更し容量をアップ、家庭用電源からの充電も可能とし、長いEV走行航続距離と高いEV走行最高巡航速度、そして優れた低燃費性を実現していますが、現時点でバッテリーが高額なのが問題点です。
トヨタプリウスは敢えて複雑なシステムを選択していますが、よりCO2の排出量を抑えつつ低燃費を実現した、ハイブリッドカーらしいハイブリッドカー造りを目指した結果です。